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freeeで『口座振替勘定』を使うタイミングとは?

先日、経営者仲間のfreeeユーザーの人とfreee操作の話をしていて、どんな時に『口座振替勘定』を使用するか?という話題になりましたので、ちょっと整理します。

そもそも『口座振替勘定』とは

簿記にも経理業務にもあまり馴染みのなかった私が、freeeで便利な『口座振替勘定』のことを知ったのは、Twitterでフォローをしている税理士さんが書いた下記のnoteを読んだからです。

#freee塾 資金移動に無視はダメ、絶対。

このノートでも紹介されているように『口座振替勘定』とはあくまで便宜上の名前で、この名称自体は自由に変更しても良いと言うことです。

そしてこの『口座振替勘定』の機能は、ある口座からある口座への資金移動が発生したときに、その中継ポイントのような働きをする口座(勘定科目)です。

  • 口座振替勘定
  • 通過勘定口座
  • 資金移動仮口座
  • 資金移動中継口座

などと自分自身がわかりやすい名前をつければ良いと思います。

freeeにおける『口座』とは

私のような中小企業経営者を始め、経理業務に不慣れな人間や、freeeの操作に不慣れな人間にとってはこのfreeeの口座と言う概念が少し理解しづらい時があります。

口座と言うからには銀行口座のことを指すのはもちろんですが、それ以外のレジ金(釣り銭)や小口現金、クレジットカード、まだ入金されていないECサイトの売上金なども口座です。

freeeにおける口座とは、「お金が貯まっている・借りている」場所ととりあえず理解しておけば良いと思います。

  • 銀行口座:基本プラスの残高で資金が貯まっている
  • クレジットカード:基本マイナスの残高で、まだ支払っていない商品・サービスの代金
  • Suica等の交通系IC:基本プラスの残高で、将来の交通費等のためにチャージされている資金
  • ECサイト:まだ入金されていない売上金
  • レジ金(釣り銭):基本残高が変動しないレジの釣り銭準備金
  • 小口現金:基本プラスの残高で日々の細々した支払いのための小口現金
  • 出張仮払金:残高が一時的にプラスになる口座で、精算後0に戻す口座
  • 従業員立替金:基本マイナスの残高で、精算後0になる口座

自動同期されるもの、手動で作成・管理するものの例を列挙してみました。

『口座振替勘定』を使用すると便利なタイミング

『口座振替勘定』を使用すると便利なのは、以下の条件をすべて満たすケースです。

  • freeeに同期しているある口座から別の口座へ資金移動が発生した時
  • 出金元の口座に出金明細が同期されている
  • 入金先の口座に入金明細が同期されている

先のnoteでも紹介されていますが、freeeのヘルプページでは、対となる口座振替のどちらかを無視すると紹介されていますが、どちらかを無視するという運用はミスを生みやすい、経理業務に不慣れな人間には直感的でないなどあまりオススメの方法ではありません。

資金の移動を登録する(口座振替)

対となる資金移動のどちらかを無視することを忘れてしまい、資金移動の記録が重複してしまっている…というのはfreee初心者あるあるみたいです。

ちょっと開発用テスト事業所の例で見てみましょう。

2023-01-16にネット口座Aに67,000円の入金
2023-01-16にネット口座Cから67,000円の出金

2023-01-16に口座Cから口座Aへの資金移動があります。この口座はどちらも自動同期されているため、それぞれに入金・出金の明細が同期されています。

こういったケースに通過勘定を使います。

0.通過勘定口座を作成する

自分自身のfreeeの入力では、『口座振替勘定』という名称を使用しているのですが、今から名前をつけるならこうするだろうな…というのが

0.通過勘定口座

です。通過勘定と表現したほうが、一時的なもの、仮のもの、通り過ぎるだけのものというイメージを持ちやすいかな?と思いました。

ポイントは、名称の頭に0.を付与することで、こうすることで口座選択の時のプルダウンメニューで0を入力することですぐに選択できます。

口座の一覧 > 現金・その他タブ

口座の一覧から現金・その他のタブで、新しい口座を作成します。

この『0.通過勘定口座』は、あくまで一時的に使用するものなので、残高が0になっている状態で未処理がない状態になります。なので、資産の口座でも負債の口座でもないのですが、とりあえず資産の口座で作成します。

口座名を登録
残高0円を常にキープ
口座の表示順にかかわらず一発選択

自動で経理の自動登録ルールを作成する

あとは、出金口座、入金口座の両方で、「0.通過勘定口座に口座振替する」自動登録ルールを作成すれば、銀行口座間の資金移動は、これ以降は自動で登録されます。

初回は手動で登録
自動登録ルールの条件を設定

振替を推測にとどめるか、自動で登録するかはお好みに合わせて設定してください。個人的には自動登録を選ぶことが多いです。

小ワザですが、推測でなく自動登録にする場合は、後で検索・絞り込みができるように備考欄に「自動登録:xxxx」とメモを入れておくと便利です(実務ではまだ設定していません)。

出金口座も同様に登録
ガンガン自動登録するスタイル

多くのクレジットカードでは通過勘定は使用しない

『通過勘定』を使用すると便利なのは、以下の条件をすべて満たすケースとすでに紹介しました。

  • freeeに同期しているある口座から別の口座へ資金移動が発生した時
  • 出金元の口座に出金明細が同期されている
  • 入金先の口座に入金明細が同期されている

クレジットカードの明細の自動同期の場合、多くのクレジットカードで出金のみが明細に記録されるため、最後の条件(入金先の口座に入金明細が同期されている)を満たさないと言うケースがほとんどです。

そのため銀行口座でのクレジットカードの引き落とし明細に関しては、銀行口座からクレジットカード口座への口座振替を登録するだけで問題ありません。

口座A > アメリカン・エキスプレス
備考に絞り込み用のメモ

もし例外があるとすると、同期明細に銀行からの入金が反映されるという仕様のカードがあれば、通過勘定を使用します。

今のところそのような仕様のカードは出会ったことがありません。もしあればTwitterなどで教えていただけるとうれしいです。

StripeやPayPalは入・出金それぞれの明細が同期される

StripeやPayPalは、オンライン上での決済処理を提供するサービスです。ユーザーがクレジットカードやデビットカード、その他の支払い手段を利用して支払いを行えるようになります。

この2つのサービスもfreeeは自動同期に対応していますが、これらのサービスは、入出金の双方の明細が同期されます。

定期的に Stripe・PayPal > 銀行口座 という入金がありますが、この入出金に関しては、通過勘定を使用する必要があります。

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